LOU COURTNEY/I'M IN NEED OF LOVE

I'm in Need of Love

I'm in Need of Love

マーヴィンの『What's Going On』を起点とする70'sのメロウ&グルーヴィーなソウル・ミュージック、特にレオン・ウェアジョニー・ブリストルが大好きな僕やアナタにとって、このルー・コートニー『I'm In Need Of Love』は必ずやツボと涙腺を突いてくる作品です。フリー・ソウル・シーンでも人気のアルバムですが、オリジナルは結構レアだったりします。
ストリングスを効果的に用いたリッチなシンフォニック・ソウル、フルートなどで味付けされたサウンドはメロウではあるけれど若干硬めのグルーヴを紡いでいて、MGM時代のブリストルを彷彿とさせます(曲のタイトルが妙に長めなところはバリー・ホワイト風)。
ブリストルの「Woman,Woman」みたいな曲調、ファンクを下地にしたカッチリしたリズムを従えて、向かい風の中を泣きながら疾走する哀愁グルーヴィー・ソウル「I Don't Need Nobody Else」。ワウ・ギターとパーカッションがアクセントをつけるリズミックなファンキー・ソウル「I'm In Need Of Love」。この2曲がこのアルバムの白眉と言ってよいと思います。他には、硬質なリズムに柔らかな上モノが乗る「What Do You Want Me To Do」、晴れやかグルーヴが駆け抜けるアップ「I Will If You Will」、クールな風情のミディアム「Somebody New Is Lovin' On You」あたりが良いです。
また、シンガーとしてのルーは繊細なバラディアーといった趣で、空気に溶け込むような伸びやかなテナーが開放感と切なさを醸しています。テンダーなムードで歌い上げる「Since I First Laid Eyes On You」、途中でカリブ風のリズムに展開する「The Best Thing A Man Can Ever Do For His Woman」、ロマンティックに愛を語る「I'm Serious About Lovin' You」、静寂の中に広がる物悲しさに胸が張り裂けそうになる「Just To Let Him Break Your Heart」といったバラッドの佳曲も収録されています。
ブリストルの『Hang On In There Baby』が好きな人に是非オススメしたいアルバムです。