WAR/YOUNGBLOOD

Youngblood

Youngblood

ファンクを軸にジャズやラテンとの大胆なミクスチュアを試み、高度な演奏力で豊潤な音楽性にまで消化/昇華せしめた名ファンク・バンド、ウォー。彼らの作品ならまず、ガソリンの臭いたちこめるストリートの喧騒を活写した、グラミー受賞のヒット作『The World Is A Ghetto』、陽気さとセンティメントが溢れるカリブ/ラテン・フレイヴァーのサウンドで団結を呼びかける『Why Can't We Be Friends?』をはじめとする70年代前半の傑作群を取り上げるべきでしょうが、70年代後半の彼らも捨てたもんじゃない、ということで78年作のこのアルバムです。
サントラらしい緊迫感煽る「チェイス系」の曲もありますが、ウォーらしい明るくファンキーなグルーヴが楽しめる作品です。タイトにグルーヴする十八番の長尺ラテン・ファンク「Youngblood(Livin' In The Streets)」、明るく弾むようなポップ感が眩しい、ブランド・ヌビアン「Feel So Good」ネタの「Sing A Happy Song」、呪術的なサックスのフレーズと肉声に幻惑されるラテン・ジャズ・ファンク「Keep On Doin'」、ダウン・トゥ・アースなルーズ・ファンク「This Funky Music Makes You Feel Good」、疾走するビートの上をフルートやピアノが舞うインスト・ラテン・グルーヴ「Flying Machine (The Chase)」など、クォリティの高い曲が並んでいます。
全盛期と比較するとやや小粒感は否めませんが、決して侮れない佳作です。