RICARDO MARRERO & THE GROUP/TIME


ラテン音楽って、僕はそれほど聴いてるわけではありません。ダニー・ハサウェイマーヴィン・ゲイの音楽には、ジャズの要素と同じくらいラテンのテイストが盛り込まれていますし、そういうラテン的効用を生かしたソウル・ミュージックが好きなんですが、純度の高いラテン音楽に触れることはほとんどありません。
このリカルド・マレロの77年作『Time』は、そんな僕にも気持ちよく聴けるラテン・ソウルの好作です。ジャズ/フュージョン的な雰囲気もあり、とても風通しのよい爽やかな音を奏でています。
陽気なラテン・ソウル「Sin Ti」から軽快に始まる本作、仄かに哀愁漂わせるリズミカルな「Con El Sentido De Ayer」、穏やかでウォーミーな「Vida Vida」、爽快な空気の中でリリカルなピアノがパッションを彩るラテン・フュージョン「Land Of The Third Eye」「Southern Boulevard」、海風に吹かれながら砂浜でダンスしたくなるようなブリージー・グルーヴ「A Taste Of Latin」、などメロウなラテン・ソウルをたっぷり堪能できますが、白眉はラストの「Feel Like Making Love」。言わずと知れた有名曲のカバーですが、フルートやパーカッションがメロウに層を重ね、後半はダンサブルに展開し盛り上がる素晴らしいアレンジを施したのは、なんとあのアンジェラ・ボフィル。数多くのカバーを生んだ曲ですが、個人的にはマリーナ・ショウのヴァージョンに勝るとも劣らない出来だと思います。
聴いててすっかり気持ちよくなってしまいました。この手のラテンものをこれからもっと聴いていきたいです♪