MIKE JAMES KIRKLAND/HANG ON IN THERE

Hang on in There

Hang on in There

マイク・ジェイムス・カークランドの『Hang On In There』は、マーヴィン・ゲイ『What's Going On』の影響を大きく受けた、ニュー・ソウルの裏名盤的な作品と言えます。アルバムの構成も、曲間を無理矢理詰めて繋げたり(1〜2曲目だけですが)、『What's Going On』を模したような感じです。特に、A面はサウンド、メッセージ共にニュー・ソウル色濃厚です。
冒頭の「What Have We Done」はパーカッションとタンバリンのリズミックな刻みの上に、フルートが怪しいフレーズを繰り出すビターなグルーヴィー・ソウル。カーティス「Back To The World」を彷彿とさせる大らかな曲調の、カタルシス溢れる「Where's the Soul of Man?」、へヴィーなベース・ラインとファンキーなギター・カッティングを軸に、ストリングスがジワジワと緊迫感を煽り、終盤の焼け付くようなワウ・ギターのウネリに痺れるダークなグルーヴの「Hang on in There」(先日ご紹介したコンピ『California Soul』にも収録されています)。このA面3曲は文句なしの素晴らしさです。
一方B面はニュー・ソウル的なアプローチと往年のノーザン・テイストを折衷したような曲が収められています。グルーヴィーな「Baby I Need Your Loving」「Give It To Me」は、ノーザン調のミディアム・ナンバーでなかなか美味です。「Blota Blota」は甘〜いメロディとムーディーなアレンジに酔いしれるスロウ。哀愁を湛えた疾走するグルーヴがジョニー・ブリストルっぽい「You're Gonna Share Your Loved」もかなり良い曲です。
なお、Luv'N Haightからの再発盤CDにはボートラが3曲追加されているようです。再発盤は持っていないのですが、これは是非聴いてみたいです。