V.A/WELCOME TO THE NEWSROOM

ウェルカム・トゥ・ザ・ニュースルーム

ウェルカム・トゥ・ザ・ニュースルーム

このコンピ、ベイエリア・ファンクの発掘音源集なのですが、ただレアなだけのディープ・ファンク系コンピとは違い、カッコいいグルーヴのファンクからメロウな曲までが、バランス良く且つコンパクトに(コレ重要)纏められた好編集盤です。
ポール・ティルマン・スミス、エレクトリック・チャーチ、プライトの3組の曲が収録されていますが、荒々しく埃っぽいグルーヴやタワー・オブ・パワー風の分厚いブラス・セクション、ラテンともクロスする音楽性はまさにベイ・エリア産といった感じです。
最多収録となるポール・ティルマン・スミスの曲では、何と言っても「Newsroom」です。気持ちよく転がるパーカッションが軽快なリズムを刻み、柔らかなギターとエレピが濡れた音を紡ぐ極上メロウ・グルーヴ。雨の日に無性に聴きたくなる曲です。ファットバック・バンドの「Love」によく似た「A Good Dream」も、エレピの音が気持ち良過ぎるヌレヌレのメロウ・ソウル。いい夢見るどころか、桃源郷の向こう側に行ったきり帰ってこれなくなりそうです。
バウンスするようなリズムが心地よい「Back Here Again」、タイトなリズム隊がキレのいいビートを打つストリート・ファンク「Ready To Live」といったファンク系の曲、ブルージーな「Before You Know」や、やるせなさが垂れ込めるミディアム・ラテン・ソウル「This Morning,Your Sorrow」も良いです。
エレクトリック・チャーチは、JB直系の突進するグルーヴが凶暴この上ない「We Had Love」をはじめ、「We've Got To Find A Way」「I Can't Dance」といったへヴィーなディープ・ファンクで強烈な存在感を放っています。プライトは「Soul Duck」1曲のみですが、こちらもJBタイプのファンクでまずまずです。
音の悪い曲が数曲あるのが残念ですが(特にプライト)、ファンク〜レア・グルーヴ・ファンには是非オススメしたいアルバムです。