LARRY SAUNDERS/THE PROPHET OF SOUL


盲目のソウル・シンガー、ラリー・サンダースの76年作。この作品はマッスル・ショールズで録音されており、音はサザン・ソウルなんですが、どこかニュー・ソウル的な風合いを感じさせるあたりが個人的には好みです。ラリーは自らアレンジも手がけ、またファルセットを駆使し歌うあたりは、どこかカーティス・メイフィールドを彷彿とさせます。曲も粒揃いで、紛れもない傑作です。
軽快にリズムが転がる高揚感溢れるグルーヴィー・チューン「Fly Away Love Bird」からスタートしますが、続く2曲目は重厚なゴスペル・バラッド「Three Strikes On Me」。ちょっと軟派な印象のあるラリーですが、この辺に彼本来のディープな体質が窺えるように思います。
「All My Friends Call Me A Fool」「Darling I Love You」はファルセットで切々と歌うスウィート・ソウル。「This Is My Prayer」はアコギの爪弾きが心地よい、カーティスっぽいグルーヴィーなアップ。「Love,I Haven't Found You Yet」は典型的なサザン・ミディアムで、ちょっとアル・グリーンっぽい感じの曲です。うん、いずれもイイ曲ですね〜。
「Story Of My Love」はパーカッションが乱舞しオルガンが唸りを上げるユニークでファンキーな曲。「You Beat Me Baby」はリズムに重心を置いたファンキーな曲でなかなかです。
ジャズ〜スタンダード調のバラッド「Stranger」、ニュー・ソウル的なテーマの重苦しい「This World(Is A Ball Of Confusion)」も、これはこれで悪くないです。
ちなみに、このアルバムは以前CDで出ていましたが、僕の持ってるレコード(USブラック・ディスク・ガイド掲載盤と同じ)とはジャケットが異なります。