VERNON BURCH/WHEN I GET BACK HOME


元バーケイズのギタリストという肩書きを持つヴァーノン・バーチの77年作です。バーケイズ以前はデルフォニックスのバックを務めていたらしく、このソロ作は裏方としての豊かなキャリアをうまく消化/昇華した良作です。
1曲目の「Sexasonic」こそハードなファンクですが、アルバム全体としてはスティーヴィー・ワンダーからの影響を強く感じさせ、メロウでグルーヴィーな曲がたっぷり収録されています。
「Mr. Sin」はトロピカルな雰囲気のスティーヴィー・ライクなメロウ・グルーヴ。「Paradise」は、「Pastime Paradise」+「Summer soft」な感じの静かなストリームを描く極上サマー・ソウル。タイトル曲の「When I Get Back Home」はスティーヴィーmeetsジョニー・ブリストルな快活なリズムのグルーヴィー・ソウル。終盤のエレピ・ソロも素敵です。
「To Make You Stay」はサニーな陽性スティーヴィー・スタイル。それにしてもイイ曲書きますね〜。「Bye,Bye,Baby」はアイランド風味たっぷりのサマー・ブリージン。スティーヴィー・マナーのボーカル・アレンジが素晴らしいです。どうしようもなくスティーヴィーな曲ですが、いいんです。好きなんだから(笑)
このアルバム、以前当ブログでも取り上げたジョン・ヴァレンティ「Anything You Want」(http://d.hatena.ne.jp/stonegroove/20051001)にも通じる雰囲気がとっても美味です。どちらもスティーヴィー・フォロワーな感じですが、どちらも素晴らしい作品だと思います。
ところで、「Mr. Sin」「When I Get Back Home」「Bye,Bye,Baby」の3曲は、ヴァーノンとスザイー・グリーンという人の共作ですが、このスザイーさんは元ワンダー・ラヴ、元スプリームスにして、レオン・ウェアの元奥様(!)だそうです(BMR誌No276のレオン・ウェア特集記事より)。ソングライターとしてもデニース・ウィリアムス「Free」や、マイケル・ジャクソン「I Can't Help It」を手がけている才媛で、このアルバムではバック・ボーカルで彼女の声も聴くことができます。