THE NITE-LITERS

stonegroove2005-11-10

ナイト・ライターズはニュー・バースの前身となるインストゥルメンタル・バンドですが、個人的にはニュー・バースよりも好みです。以前にも当ブログで、ナイト・ライターズ名義での最終作『ANALYSIS』をご紹介したことがあったのですが、今回取り上げるのは彼らの記念すべきデビュー作です。『ANALYSIS』はパーカッションが乱舞するラテン/アフロ・テイストの濃いファンク・アルバムですが、70年リリースのこの1stアルバムの方は完成度では劣るものの、ジャズ・ファンク的なスリルとスピード感溢れるリズム、荒削りなグルーヴに飲み込まれる原始ファンクの傑作です。
どの曲も印象的なフックを持っており、キメのフレーズが耳にこびりついて離れません。なかでも特に強い引力を持っているのが「Con-Funk-Shun」。タイトルからは軽量級のグルーヴを想像してしまいますが、衝撃的にカッコいいブレイクをこれでもかとキメまくる、クールなジャズ・ファンクです。
ストップ&スタートを繰り返すようなギクシャクしたリズムが快感を生む「Stuff-n-It」、スリリングなホーンとタメの効いたリズム隊の応酬が切迫した緊張感を演出する闇夜のジャズ・ファンク「The Heckler」、小気味良いドラムスに煽られベースが剛毅なグルーヴを弾き出すメイン・ソース「He Got So Much Soul」ネタの「Down And Dirty」あたりは、問答無用のカッコよさです。
このアルバム、クール&ザ・ギャングの1stに似た感じはありますが、それよりも数倍ファンク濃度高い作品です。この後、サバービアでも取り上げられた『Morning,Noon&The Nite-Liters』をリリースしますが、幾分か洗練された感はあるものの相変わらずキレのいいグルーヴを演奏していて、こちらも必聴です。ちなみにCDでは、1stと同ジャケのベスト盤『Golden Classics』がコレクタブルズから出ています。