BOBBY WILSON/I'LL BE YOUR RAINBOW

I'll Be Your Rainbow

I'll Be Your Rainbow

最近は、はてなの更新よりもBOOKLOGの充実にウツツを抜かしている僕です。暇を見つけては手持ちのレコードやらCDやらを引っ張り出してライブラリへ追加してるのですが、ようやく400枚を越えたところで気がついたことがあります。それは、僕の持ってるレコードは、どうやら大半がCD化されているということです。SOUL系のCDですから、今では入手困難なものも多いのですが、それにしても再発の波はここまで浸食しているのか、なんて思ってしまいます。僕はレコードもCDも分け隔てなく聴いているので、CD化が進んでレアな音源が手軽に聴けるようになるのは嬉しいことなんですが。
で、このボビー・ウィリアムスの唯一のアルバム、かつて日本でブッダ・レコードの作品がまとめてCD化された際に、モデュレーションズの『IT'S ROUGH OUT HERE』との2in1でリリースされていました。その後、双方のレコードを入手したので、この素晴らしいカップリングのCDは手放してしまいましたが、なんか非常に惜しいことをしたな〜、とBOOKLOGに追加してて思ってしまいました。どっちもレコード持ってるんですけどね。う〜ん、これどうでもいい話ですねェ(苦笑)。
ボビー・ウィリアムスはアルバム1枚で終わってしまった人ですが、この作品は僕のバイブル(笑)USブラック・ミュージック・ディスク・ガイドにも掲載されている傑作です。録音はデトロイト、フィリー、フロリダで行われていますが、意外に統一感のある音に仕上がっています。
1曲目の「DEEPER AND DEEPER」はバリー・ホワイトっぽい重厚なストリングスにワウのかかったギターのカッティングがニュー・ソウル的な雰囲気を漂わせる名曲です。この曲をはじめ、デトロイト録音曲はすべてポール・ライザーがオーケスラを指揮しており、どれも非常によい出来です。ムードたっぷりのタイトル曲なんか堪りません。
シグマ録音の2曲は、フィリー特有のキラキラ感は抑え目ですが、フィリーがちょっぴり苦手な(?)僕にとっては、このぐらいのサジ加減がちょうどいいぐらい。「HERE THE WHERE THE LOVE IS」はとってもいい曲です。
ボビーの歌は、十分にソウルフルながら突き抜けるような爽快感のある歌唱で、朗々と歌い上げても厭味にならないあたりが非常に魅力的です。タイプは違えど、マーヴィン・ゲイ的な雰囲気もあるように思えます。そんなボビーの持ち味が最大限に発揮されたのがTK録音「DON'T SHUT ME OUT」。レオン・ウェアジョニー・ブリストルのラインの、上昇気流のストリームを描くグルーヴが心地よい、軽快なリズム感の曲ですが、このグルーヴを見事に乗りこなし、颯爽と走り抜けるボビーの歌がめちゃくちゃカッコいい名曲です。個人的にはこのアルバムのベスト。その他のTK録音曲もアルバム全体のイメージを損なうことなくまとめられており、一切駄曲なしです。
改めてアルバム1枚聴き通してみたんですが、やっぱりいいアルバムですね。すっかり酔ってしまいました。僕の持ってる盤は歪みがひどくて、かなり針圧を上げないと聴けない状態なので、買い直さないとなぁ。あ、それよりもモデュレーションズとの2in1を探そうかな(笑)