CAMEO/CAMEOSIS

Cameosis

Cameosis

キャミオを初めて聴いたのは、僕が中1の頃でした。当時キャミオ(その当時、日本ではカメオと呼ばれていたと思います)の「WORD UP」が大ヒットしていまして、その頃の僕はジョージ・マイケルの『FAITH』に夢中だったんですが、ラジオでよく流れていた「WORD UP」を気に入って、テープに録って何度も聴いていました。この当時のヒット曲で好きだったのは他に、ランDMC「WALK THIS WAY」やロジャー「I WANT TO BE YOUR MAN」などがありました。意識してブラック・ミュージックを聴いていたわけではなかったのですが、今考えてみるとこれらの曲が僕にとって黒人音楽の原始体験だったように思います。
で、キャミオです。また前振りが長くてスイマセン(笑)。80年代のキャミオはどれもハズレなしなのですが、特に『CAMEOSIS』から『ALLIGATOR WOMAN』までの4作は敵無しです。このなかのどれが代表作でも構わないのですが、USブラック・ミュージック・ディスク・ガイドにジャケ写が掲載されている『CAMEOSIS』にしときます。
タイトル曲や「SHAKE YOUR PANTS」はキャミオ流ファンクの完成形と言える曲で、ゴリゴリ迫るビート、ユーモラスでカッコいいリズム、速射砲のようなホーン、独特なボーカル・ワークが映えるカミソリ・ファンク。もう1曲あるファンク「ON THE ONE」は、次作収録の「KEEP IT HOT」に通じる重心の重いスロー・ファンクで痺れます。
一方、定評のあるスローでは「WHY HAVE I LOST YOU」が白眉。独特のチョコレート色のコーラスが曲に溶け出してとってもスウィィィート。キャミオはどのアルバムにもスローに良い曲があります(「FEEL ME」、「I NEVER KNEW」、「FOR YOU」、「LOVE YOU ANYWAY」などなど)。
どうでもいい話なんですが、このアルバムの真ん中でギター持つフリしてる、サエキけんぞう似のメガネの人が昔から気になって仕方ありません(確か、『SHE'S STRANGE』ぐらいまで在籍してたと思うのですが)。