DONNY HATHAWAY/COME BACK CHARLESTON BLUE

stonegroove2005-10-05

tanouxさんのところでも紹介されていましたが、去る10月1日はダニー・ハサウェイの誕生日でした。
http://d.hatena.ne.jp/tanoux/20051001
もし生きていれば還暦を迎えたところなんですね…。
ダニーがレコーディング・アーティストとして活動したのは、70−73年までの実質3年間という短い間でしたが、その間に残した作品はどれも傑作と呼ぶに相応しく、特に『LIVE』と『EXTENSION OF A MAN』はユネスコ世界遺産に登録したいぐらいの大名盤です。
そんなダニーの傑作群を僕なんかがあーだこーだ言うのも畏れ多いのですが、彼の作品としてはダントツにマイナー、かつ唯一CD化されていない『COME BACK CHARLESTON BLUE』に逃げたいと思います(笑)
このアルバムは同名タイトルのブラックスプロイ映画のサントラです。そう聞くと、カーティス『SUPERFLY』あたりを連想してしまいますが…、このアルバムはフツーに映画音楽然とした印象で、ほぼ全編インストです。お約束“チェイス系”の緊迫感煽るインスト曲もあるにはあるのですが、ついつい期待してしまうファンキーなやつではありません。
アルバム・タイトルどおりチャールストン調の「MAIN THEME」や、ビッグバンド・ジャズ風の「BASIE」など、ソウル・ファンにはちょっとキツイ部分はあります(とは言っても、僕はチャールストンなんて音楽聴いたことがないので、本当にチャールストン調なのかよく分かりませんが…)。ダニーがマージー・ジョセフとデュエットするタイトル曲はジャズ・スタンダード調です。
しかし、それでもダニー・ファンがこのアルバムを無視することができないのは、「LITTLE GHETTO BOY」が収録されているからこそです。『LIVE』でも披露されていた、ダニーの代表曲のひとつですが、ここに収録されているのはスタジオ録音のものです。『LIVE』盤と似たような雰囲気の録音で、あまり驚きはないのですが、これはこれで良いと思います。
他にボサ・ノヴァっぽい、ズバリ「BOSSA NOVA」という曲もイケます。
なんか否定的なレビューになってしまいましたが、音楽的にはかなりクオリティの高い作品であることは間違いないです。ソウルだけに収まりきらない、ダニーのバーサタイルな才能が遺憾なく発揮された作品だと思います。
因みに、スーパーバイザーとしてクインシー・ジョーンズの名前がクレジットされていますが、どの程度関与したのかは不明です。