JOHNNY BRISTOL/BRISTOL'S CREAM

ブリストルズ・クリーム
ジョニー・ブリストルは70年代に活躍した作曲家・プロデューサーであり、自らも5枚のソロ・アルバムを発表しました。他のアーティストとの仕事については、また追々触れるとして、今回は彼のリーダー作を取り上げたいと思います。ジョニーが残した5枚のアルバムは、どれもが聴くに値する作品ですが、個人的には初めて聴いたジョニーのアルバム『BRISTOL'S CREAM』が思い入れが深いです。
このアルバムはジョニーの3作目のソロ・アルバムですが、MGM時代の前2作よりも更に洗練されたサウンドを聴かせてくれます。ソフト&メロウ、コクがあるのに円やか、そんな感じです。
ノーザンの残り香を纏った流麗なダンサー「Do It to My Mind」、ストリングスが旋回しジェイムス・ギャドソンと思しき(僕の持ってるレコードにはクレジットが記載されてないので定かではありませんが…、エド・グリーンかも?)ドラムスがグルーヴを牽引する「I Sho Like Groovin' With Ya」、この2曲は文句ナシに素晴らしいです。バリー・ホワイトリオン・ウェアに通じる部分のあるジョニーの音楽性が顕著に表われています。
アップはこの2曲のみで、残りは全てスロー〜ミディアムという構成になっています。「I Love Talkin' Bout Baby」、「You Turned Me On to Love」、「She Came into My Life」などは、ジョニーの持ち味であるキザな語り口が冴える、なんともムーディーな曲です。「Love to Have a Chance to Taste the Wine」なんかはタイトルからしてキザです。でもそうした演出が決して嫌味にならず板についているあたり、いやこれは演出などではなくジョニーさんは根っからキザな人なんだろうと勝手に想像しています(笑) 
キザな男の粋なソウル・ミュージック、そんな男にもう会うことが出来ないというのは寂しくもありますが、ジョニーさんの残してくれた最高のもてなしを堪能することで、故人の冥福を祈りたいと思います。