JIMMY CASTOR BUNCH/I'TS JUST BEGUN


このアルバム、タイトル曲がサンプリングの定番ネタとして有名ですが、アルバム一枚通してヘヴィーなファンク・ビートに貫かれた、好きモノには堪えられない作品です。
サックス奏者、ジミー・キャスター率いるこのバンド、トランペットとピアノ担当のGerry Thomasは後のファットバック・バンドの中心人物です。その為か、このアルバムでも、ファットバックに通じるような荒々しくナスティなファンクを聴かせてくれます。
とぐろ巻く轟音ベースが重戦車の如く突進する激重レア・グルーヴ「It's Just Begun」、まさに豪放磊落、抑えきれない衝動にかられる猛ファンクです。石斧で頭をカチ割られるようなヘヴィーなビートにKO必至の原始ファンク「Troglodyte(Cave Man)」、キャッチーなリフを繰り出すファンク「You Better Be Good(Or The Devil Gon' Getcha)」、重心低いグルーヴの上にコンガやティンバレスが陽気に弾けるラテン・ファンク「Psyche」、こちらもラテン的なアクセントの効いたファンク・ナンバー「L.T.D.(Life,Truth&Death)」など、ファンク曲はどれも直情型の性急なビートに煽られて血圧上がります。
その一方で、何故かやたらに爽やかなポップ・ソウル「My Brightest Day」、キュートな曲調がジャクソン・5みたいな「I Promise To Remember」と、非ファンク曲も意外な充実っぷりです。
それにしても、この気味悪いジャケットだけは、どうにかならないもんですかねぇ。