GREG PERRY/ONE FOR THE ROAD

One for the Road
グレッグ・ペリーは、インヴィクタス/ホットワックスの屋台骨を支えたソング・ライター&プロデューサーにして、同レーベルの看板娘=ハニー・コーンのエドナ・ライトの旦那さん。と言うよりも、79年にMCAからアルバムを出したジェフリーのお兄さんという点が個人的には気になったりします。
このアルバムはノーザンの伝統を継承しつつも、時代の空気を吸い込んだメロウ・テイストが気持ちいい傑作です。レオン・ウェアジョニー・ブリストルのラインではありますが、甘さに流れない硬質なリズムが歯切れの良いソウル・サウンドを生み出していて、アルバムのグレードを一段高く上げているように思います。
そよ風のようなアコギの爪弾きと旋回するストリングスが、ちょっぴりトロピカルな雰囲気を醸し出す1曲目の「Variety Is the Spice of Life」から、パーカッションの乾いた鳴りが心地よい哀愁ソウルのラスト「One for the Road」まで、一切駄曲無しと言いきってしまいましょう。
なかでも、ノーザン・テイストの「I'll Be Comin Back」、パーカッションが男臭さ演出する「Next Time I See You (I'm Gonna Be Ready)」、逆風の中を走って行くような哀愁ソウル「Come on Down (Get Your Head Out of the Clouds)」など、言い出したらキリが無いぐらい良曲揃いです。
ちなみに、弟ジェフリーのMCA盤も、ノーザン風味をまぶした清々しいメロウ・ソウルにマーヴィン・ライクなボーカルが映える好盤です。