THE METERS/REJUVENATION

Rejuvenation
この度のアメリカのハリケーン被害は、かなり甚大な様子です。特にニュー・オリンズは壊滅的な状況と報道されています。ニュー・オリンズはJAZZをはじめ様々な音楽を生み出した土地であり、僕たち音楽好きにとって聖地のようなものだと思います。だからというわけではないのですが、彼の地の被害状況、今後の復興がとても気がかりです。簡単なことではありませんが、ニュー・オリンズ市民の皆さんが早く明るさを取り戻せるよう願っております。
閑話休題ニュー・オリンズと言えば、ファンク発祥の地(のひとつ)でもあります。で、ニュー・オリンズといえば、もちろんMETERSなわけです。特に、この『REJUVENATION』は凄い!獰猛なグルーヴに打ちのめされること必至の最凶ファンク・アルバムです。これ以上に極悪なファンク・ビートを叩きつけてくるアルバムを、僕は他に知りません。
1曲目の「PEOPLE SAY」から、ジガブー・モデリステの重爆ドラムスが炸裂、ジョージ・ポーターの極太ベースとレオ・ノセンテリのギターがユニゾンで絡むキメのあたりなんか、鳥肌モノです。
「JUST KISSED MY BABY」「JUNGLE MAN」ではさらにタメの効いた重〜いドラムスとベースがカッコ良すぎるスロー・ファンク。ジガブー&ポーターのコンビは、あのジャボ&ブーツィー(J.B'S)に匹敵する、世界最強のリズム隊だと思います。
「HEY POCKY A-WAY」「AFRICA」は土着的なリズムで盛りあがるファンク。前者はマルディグラ調、後者はタイトルどおりアフリカ的なビート感で、共に彼らの代表曲です。
アルバム全体としては、アート・ネビルの臭みのある鍵盤が随所に気持ちいいフレーズを挿入し、またアートは唄の方でもナンともいい味だしてて、このバンドの要は彼であることが分かります(後のバンド崩壊は、ネビル兄弟とノセンテリの音楽的対立も一因だったように思います)。ごった煮的な要素をファンクに収斂させた音楽性は、いかにもニュー・オリンズらしさを感じさせます。




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